女は男の指を見る 新潮新書 竹内久美子著 を読んで以来、竹内久美子さんのファンになっており、立ち寄ったショッピングモールでの本屋で
皇室論 なぜ天皇は男系でなければいけないのか 方丈社 竹内久美子著
皇室論については、いささか過激で、学者らしからぬところも多々ありましたが、
男系でなければいけない理由付けに動物行動学者らしい面白い理由付けがありました。
まず女性天皇とは簡単に言うと、父が天皇であるとか、祖父が天皇であるとか、ともかく皇統の男系男子を父方に持つ女性皇族(男系女子)が天皇となった場合をいいます。
一方、女系天皇とは、母方にのみ、天皇の血筋を持つ天皇であり、女性皇族(男系女子)が一般人と結婚し、その間に生まれた子が性別に関係なく、天皇になった場合をいいます。
この文章を読んだとき、女性天皇と女系天皇の違いをすぐには理解できず複数回読み直すこととなりました。
女系天皇は男性であれば、連綿と続いたY染色体を持たない別の家系Y染色体の天皇であり、女性であれば、連綿と続いたY染色体を持たない天皇となるということでしょうか。
現代的な感覚から行けば、女性天皇と女系天皇の女性はいずれもY染色体を持っていないから、同じことだと思えてしまうのですが、
筆者は歴史上女性天皇は10代存在しました。
中略
女性天皇になるには条件がありました。未亡人であるあるいは生涯独身を通すと言う条件です。当然即位後は結婚も出産もできないし、天皇の座を退いた後も同様です。
なぜこのようなルールがあるかと言うと、女性天皇が立ったことで、皇位継承に影響が出ないようにするためです。
歴史上10代存在した女性天皇に対して女系天皇は過去に1例もないことを付け加えておきます。 とのことです。
なぜ皇位は男系男子で受け継がれてきたのか。この点を生物学の観点からアプローチしてみたいと思います。
染色体の家系図でわかるY染色体の特徴
1組の夫婦後をひく子や孫ひ孫にエックス染色体(赤とピンクとオレンジ)とワイ染色体(青)がどのように浮かれて受け継がれていくのか、その変化を視覚的にわかりやすく示した染色体の家系図です。
私たちは常染色体を生にかかわらず持っています。しかし性染色体は女性はXとXの対、男性はXとYで対にはなっていません。
夫婦の娘は性染色体をどう受け継ぐかというと、母親の側から受け継ぐときには母親のツイになっている2本のX染色体に切れ目が入って中身を交換し、新しい染色体を構成します。これを「交差」といいます。
交差によって新しくできたX染色体は「母親由来の性染色体」(図では赤とピンク)となり、父親由来のX染色体とともに一対をなします。
その娘に娘「孫」が生まれた時も同じことが起こります。図にあるように娘の娘の染色体の赤や、ピンクやオレンジの色の割合が違うのは、自分の母親からX染色体を受け取る際にX染色体に切れ目が入って、新しい染色体ができた結果です。
このように、X染色体の受け継がれ方を女性に限ってみると、最初の夫婦から大を重ねるごとに次第に薄まってしまうのです。
一方、最初の夫婦の間に生まれた息子の性染色体はどうでしょう。
息子のX染色体は、自分の姉(あるいは妹)と同じように、母親の2本の染色体が交差して新しくでした母親由来の染色体です。
ところがY染色体は男にしか存在しないので、息子は父から譲り受けるほかありません。またXと Yは対なっていないので交差は起こりません。息子は父からY染色体をそのそっくりそのまま受け継ぎます。(( 厳密にはx染色体とY染色体、それぞれの最小末端の小領域で交差は起きています。また、Y染色体の遺伝子が突然変異を起こす事はあり得ます。))
先祖由来のX染色体は、男でも女でも薄まるが、男でつなぐ限り、Y染色体は薄まらないのです。
「天皇は男系でなければいけない」と主張している著者の論理は唸らせるものがあります。
しかし、サウジアラビアの初代国王のように、王子が50人もいたようでもなければ、なかなか難しいように感じますが。
さらに、この本では動物行動学者 竹内久美子さんとも思えないような過激な論調に戸惑いを覚えています。
なお、私が感銘を覚えた、2010年1月20日発行の「女は、男の指を見る」新潮新書を振り返ってみたいと思います。
カバーの裏面に
本書で明かす事実、その1「初対面で、女は男の顔よりも指を見る」
その2 「ハゲの男は、病気に強い」
その3「自分と違う免疫の方の持ち主ほど、匂いが良い」
などなど
長い薬指 敏椀トレーダーの証し、英大チーム「収益差、年78,00万円」
証券の売買をするトレーダーは、薬指が長い人の方が向いているらしいことが英ケンブリッジ大の調査で分かった。
薬指が相対的に、長いグループ(人差し指が薬指の長さの93%の長さ)と短いグループ(同99%)の収益の差は、一人当たり年60万ポンド(約78,00万円)以上になったという。
人差し指に対する薬指の相対的な長さは、男性ホルモンの代表であるテストステロンのレベルに密接に関連している。
男の赤ちゃんはまだお母さんのお腹にいる時に、自分の睾丸からテストステロンを放出して、自身の体内を巡らせます。こうして男としての体の原型を作っているのですが、このテストステロンのレベルが高い人薬指が人差し指に対してより長くなる傾向がある。
中略
テストステロンは、長じて男としての様々な体の特徴や音楽やスポーツの才能能力、精神面では、自信や集中力、粘り強さやリスクを好む性質などに影響を与える事は分かっています。
中略
女が男のどこを見ているかを聞いたアンケートでは、第1位が、手(指を含む)で、第2位が目 第3位が腕 、二の腕と続きます。
中略
指にはまたその動かの証拠が現れていて、マニングらの研究によれば指比の低い男は精子の数が多く、質も良いことがわかっています。
何やらかなり生々しい話になってきましたが、これは複雑な人体の一端に過ぎず、指比高い人は笑い飛ばしてしまって良い程度だと私は思います。
「ハゲは、病気に強い」
ハゲてる人は胃がんになりにくい。
なぜ胃がん患者にハゲが少ないのか。実は女性ホルモンのいくつかの総称であるエストロゲンには胃がんについての発がん性があるらしいのです。つまるところ男の胃がん患者はテストステロンレベルが低く、相対的にエストロゲンレベルが高いため、胃がんを発症したが、そもそもテストステロンレベルが低いのだから、ハゲになりにくいそう考えることができるのかもしれません。
はげの効用は、それだけではありません。結核に強い 気管支ガン、肺気腫になりにくいこともわかった。
「いい匂いは信じられるーHLAの話」
HLA(ヒト白血球抗原)は白血球を始めとするあらゆる細胞の表面にある抗原です。
自分自身を病原体から守るそのために、自分と自分以外を見極めるのが免疫システムであり、中核をなしているのがHLAの型いう情報です。
HLAの型については、自分とはなるべく違う形を持っている相手を選べば子孫に型のバリエーションが増えます。そうすれば、バクテリア ウィルス 寄生虫等のパラサイトに対抗するための手持ちのカードの種類が多いようなものです。
となると、女が稀なHLAの型を持った男、自分のHLAの型となるべく違った型を持つ男を何らかの方法で見抜こうとしているのであろうことには疑いようもありません。
その方法というのが匂い
スイス ベルン大学の子、C ヴェーデキントの研究によると、HLAの型にのラインナップが自分となるべくか離れている相手ほどいい匂いだと感じることができるように進化しているというのです。匂いの良し悪しにはこのように相対的な側面があり、自分にとっては良い匂いの相手であっても、他の人にとっては良くない場合もあります。
なんであんな男に、あんないい女がくっつているんだと、誰しも首をかしげたくなるような不思議な組み合わせのカップルがいる。それはHLAの型という点ではすごく相性が良くて、彼女は彼の匂いにぞっこんということになるかもしれません。
ここで言う(いい匂い)というのは、花や香水みたいなという意味ではありません。少なくとも臭くないというレベルの話です。
私は、長らく女性は父親の匂いと似た男性を選ぶという説を信じていたのですが、
(この説を遠い昔に読んだもので、出典を思い出すことができません。)
竹内さんの本を読むと今までの確信が揺らいでしまいました。
私は昔ヘビースモーカーだったので、単にタバコの匂いが共通だっただけでしょうか。
青春時代に「指が綺麗ね」と言われたことがあったのですが、その時は、他に褒めることがねぇのかよと思ったのですが。
また「声が綺麗ね」 (間違っても歌ではありません)と言われたこともありました。
ともに恋仲にすらなる事はありませんでした。
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by koutetukai
| 2025-05-03 19:07