読売新聞の夕刊に気になる記事が掲載されたので紹介します。
令和5年9月27日夕刊読売新聞 10面
東工大奨学金に女子枠
東京工業大は2024年度から経済的な支援が必要な学生向きの給付型奨学金に女子学生枠を新たに設ける。
中略
この給付型奨学金は..... 18年度に設立された。
親が4年制大学を卒業していない学生を奨学金対象としたファーストジェネレーション枠がありとの条件にいささかの違和感を覚えました。
思い起こせば、戦後10年ほどしか経っていない私の世代では、貧しい日雇い労務者の子、貧しい漁師の子でも、周りの多少の援助は受けたにせよ、東京大学などに進学をしておりました。
確かに、経済的援助は必要だと思います。親の学歴によって援助する、しないが生じるのは理解できないでもありませんが、経済的な格差と学歴には相関関係はあるにしても、因果関係を間違えているとしか思えません。
アメリカにはアファーマティブアクションと言う社会事象があります。
はるか昔、法律を勉強していた時に、それに対するアメリカ最高裁の合憲判決を知っておりましたが、令和5年7月28日、アメリカ最高裁アファーマティブアクション、違憲判決が言い渡されました。
令和5年4月28日読売新聞オンラインから引用します。
「米最高裁アファーマティブアクション違憲判決 突きつけられる多様性の確保」
大学入学者選抜で人種を考慮するアファーマティブアクションをめぐる訴訟で、連邦最高裁が人種を考慮することは法の下の平等を定めた、憲法修正14条に違反すると判断した。最高裁は1978年の判決で容認しているから、実に45年ぶりに判断を覆していることになる。
アファーマティブアクションと言う言葉を聞き慣れない人も多いだろう。日本では積極的差別是正措置等と訳され主に男女格差是正するを意味する。米国では教育や雇用の機会の不平等を是正するために、就職や大学入試の際、黒人やヒスパニックといった人種的少数派を優遇しているのが特徴だ。
日本の入試と異なり、大学進学適性試験など点数以外に高校の成績や課外活動、人物評価をもとに書類選考で合否が決まる。アメリカ大学の入学選抜では是正処置が広く導入されている。同じ少数派であっても、アジア系は対象でなく、今回の訴訟では、ハーバード大学などの入学選抜をめぐり、保守系の非営利団体がアジア系の入学者が不当に抑えられて、人種差別に当たるなど主張していた。
今回の学歴による優遇制度は奨学金制度に関するものであるので、アファーマティブアクションとは趣旨が異なります。
しかし、このような大卒ではない親の学歴よって優遇すると言う事は、将来のアファーマティブアクションを起想させ、いささか心配です。
また、親の学歴が大卒でないことを優遇する事はある意味、失礼にはあたるのではないでしょうか。
原則、大学入学試験は、他の条件を排したガチンコであるべきです。
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by koutetukai
| 2023-09-28 11:21