人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本なるがゆえ

 政府の地震調査委員会は、日本列島でこれから起こる可能性のある地震の発生予測を公表しています。
例えば、今世紀半ばまでに、太平洋岸の海域で、東海地震、東南海地震、南海地震と3つの巨大地震が発生すると予測しています。
すなわち、東海地方から首都圏までを襲うと考えられている東海地震、また中部から近畿、四国にかけて、広大な地域に被害が予想される東南海地震となる地震です。
東海から四国沖までの沖合では、過去に海溝型の巨大地震が比較的規則正しく起きてきました。こうした海の地震は、およそいつ頃を競うかを計算できます。この点が1000年以上のスパンでいつ起こるとも起きないともわからない活断層のもたらす直下型地震と大きく違うのです。
なお、この3つの地震は、比較的短い間に連続して活動することもわかっています。その順番は、名古屋、名古屋沖の東南海地震、静岡沖の東海、地震、四国沖の南海地震というものです。
その発生の時間差は数十秒、32時間 2年後と発生しております。
その理由はわかっていませんが、過去の例では、冬に発生する確率が高いこと、また、南海トラフ沿いの巨大地震が起きる50年ほど前から日本列島の内陸部で地震が頻発するようになるといった事実も判明してきました。
巨大地震の発生を日時での単位で正確に予測する事は残念ながら今の技術では不可能です。しかし過去の経験則やシミュレーションの結果から西暦2030年から2040年に発生すると言う予測がなされています。
日本なるがゆえ_e0303862_22473690.jpg
                     SB新書    鎌田 浩毅 著

この数字をどうやって得られたかを見ていきましょう。

南海地震が起きると時間が規則的に上下すると言う現象を取り上げます。南海地震の前後で土地の上下変動の大きさを調べてみると、1回の地震で大きく隆起するほどその次の地震までの時間が長くなると言う規則性があります。これを利用すれば、次に南海地震が起きる時期を予測できるということです。

具体的には、高知県室戸岬の北西にある室津港のデータを解析します。
すなわち、室津港は南海地震の後で、ゆっくりと地盤が沈下が始まって、港は次第に深くなりつつあったのです。そして南海地震が発生すると、今度は大きく隆起しました。その結果、港が浅くなって、漁船が出入りできなくなりました。
こうした現象が起きていたことから、江戸時代の頃から室津港で暮らす漁師たちは、港の水深を測る習慣がついていたのです。(一部要約)
 
日本なるがゆえ_e0303862_22490323.jpg
海溝型の巨大で地震が発生すると、しばらくしてから火山が噴火することがあります。
3連動地震 宝永地震の49日後に富士山は南東斜面からマグマを噴出し、江戸の町に大量の火山灰を降らせました。いわゆる宝永富士山大噴火です。

富士山が噴火するときにはまず地震が発生します。富士山の地下にあるマグマだまりの近くから低周波地震と呼ばれる微弱な地震が出ます。
一般に地下の岩石がバリバリと壊れる時は高周波地震が起きるのですが、地下にある液体などがゆらされた場合は低周波地震が起きます。私たちが日常生活で経験するガタガタと揺れる高周波地震と区別するため、わざわざ低周波と言う言葉が付けられているのです。現在富士山の地下ではとても深いところで低周波地震が起きています。しかしその位置が浅くなってきたら注意が必要です。マグマが無理やり地面を割って上昇してくると今度は高周波地震が発生します。最後に噴出する直前で火山性微動と言われる細かい揺れが長い間発生します。こうなると噴火の間近いスタンバイ状態になります。
富士山では噴火のおよそ1ヵ月前には地震が起きるので、事前に必ずわかります。日本の火山学は世界トップレベルなので、事前余地は、十分に可能です

       もしも今富士山が噴火したら、日本超緊急事態シュミレーション 
                   令和6年6月5日   TBS放映
日本なるがゆえ_e0303862_22501100.jpg
火山弾、溶岩流、火山灰の被害、群衆雪崩などに詳しく解説しています。
特に群衆雪崩では、韓国の悲劇的な事件が最近起こったこともありました。
できるだけ危険を避けるためのシュミレーションをしていましたが、
群衆雪崩が起こったら、とっさに、できるだけ壁にへばりつくことが一番効果的との実験シュミレーションがありました。

日本なるがゆえ_e0303862_22504535.jpg
        NHKスペシャル南海トラフ巨大地震  第一部ドラマ前編2023年3月4日
                             ドラマ後編2023年3月5日 放送
近い将来起こるとされる南海トラフ巨大地震 国が想定する最悪ケースはマグニチュード9クラスの地震を想定するが、それに匹敵して多くの専門家が警戒するのは時間差で巨大地震が起こる半割れと呼ばれるシナリオです。

特に、私が興味を引いたのは再度の地震発生に注意を呼びかける 臨時情報、巨大地震警戒の発表 に当たり気象庁の担当者たちの苦悩です。なぜなら、この発表により、東日本でも避難と警戒の必要が生じ、西日本への救援が滞ること予想してでき、救える命が救えなくなってしまうからです。

なぜ日本は地震多発の地域に人口集中の都市ができるのか、不思議と思っていましたが、この点についての示唆を与える記述がありました。

地震は私たちの住んでいるところを好んで起きるのでは決してありません。また先祖に科学の知識がなかったからでもありません。むしろその逆で、人間は地震の来るところに好んで住んでいるのです。その場所が住み心地が良く、人間にとって様々な点で都合が良いから、延々と何千年も、人間は地震の巣上に住み着いてきたのです。

人間の生活に欠かせない水について考えてみましょう。京都は東と北と西の三方山に囲まれた盆地にあり、この盆地の縁には、花折断層と黄檗断層、北山断層、西山断層などの活断層があり、数千年おきに直下型地震を起こしてきました。また琵琶湖の京都寄りには琵琶湖西岸断層帯がありますが、ここで発生する地震のマグニチュードは7.1と予想されています。マグニチュード7クラスの大地震が起こるたびに山は隆起します。高くなった山では降水のため表面の土砂が流されます。その結果、長い年月をかけ、土砂が盆地に流入し堆積層を作っていきます。こうして京都を囲む三方の山と中央の平らな盆地が数百万年の時間をかけて出来上がってきたわけです。逆に言えば、活断層がなければ、京都盆地は存在しなかったのです。こうした盆地の下には大きな水甕ができます。水を通しにくい硬い基盤岩の上に水を通す堆積層が何百メートルも重なっているからです。ここに蓄えられた豊富な水が、京都盆地のまん中で、こんこんと湧き出ています。

この湧水から酒を作り、豆腐や湯葉を作り、また京友禅を洗ってきたのです。近年では半導体による最先端エレクトロニクス産業もまた京都盆地で潤沢に供給される水から生み出されました。すなわち2000年から3000年に一回起こる地震の営力が生み出した豊富な地下水を求めて、私たちの先祖は京都に都を造営し、産業を生み出し、そこに伝統と文化が生まれたのです。日本が世界に誇る文化と科学的技術は活断層が作った水瓶のおかげとも言えるのです。
日本なるがゆえ_e0303862_22471040.jpg

私にとって「……だったかもしれない」京都 
東男に京女ならぬ  みちのく小京都女
京都関係書籍は数多く持っていますが、その中でも、格段に感激した本を十数年前に神田の古本街で手に入れました。

                アジア古都物語  京都の水脈 NHK出版 2002年

京都の地下には、ひょっとすると、日本でも最大級の巨大な水瓶がありそうだ。

そこでNHK京都支局ディレクター 井上 勝弘 氏は関西大学 土木工学科 教授 楠見 晴重 氏に 依頼 京都市内8000カ所に及ぶボーリングのデータを解析しましたが、岩盤が深すぎて、通常のボーリング調査ではそこまで届いていなかったので、解析は不可能でした。

そこで、京都大学大学院、理学研究科の竹村 恵二氏に反射法によるデータの解析を依頼しました。
反射法とは、人工的に地震を起こし、それぞれの地点での地震の影響を測定し、そのデータをコンピューターで解析していき、地下の構造を明らかにしていくのです。
人工地震を起こすと地震はと言う特殊な波が生じる。その波は地下に伝わり、地中の粘土や砂力や岩盤にぶつかってまた地上に戻ってくる。その戻ってくるまでの時間は粘土、砂礫、岩盤という地下の地質によって異なる。その時間差を計算することにより、地下の構造がわかるというのことです。
日本なるがゆえ_e0303862_22540468.png
京都盆地が東西12キロメートル、南北33キロメートル、最も深いところで高さ800メートルに及ぶ巨大な穴の中に、水がたたえらているそうです。
この巨大な水瓶は、常に満々と水が蓄えられている構造を持っています。計算によると総量は211億トン 琵琶湖270億トンに匹敵する莫大な量です。

清らかな水の流れ京都、と言うイメージを裏付ける科学的結果でした。



by koutetukai | 2024-06-13 22:43